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食材ガイド公開日更新日

日本の猪肉の味

猪肉は、ただの野性的な豚肉ではありません。脂、季節、性別、餌、処理、調理法で大きく変わります。まず、どんな猪肉を買っているのかを聞くことが大事です。

文・(Wild Food Japan 代表・編集)

猪肉の調理を示す一般イメージとしての、卓上焼きの肉。

要点

日本の猪肉は、シカに次ぐ主要なジビエです。農林水産省によると、令和6年度のイノシシの捕獲数は約64万頭、イノシシによる農作物被害は45億円でした。赤身中心の鹿肉と違い、猪肉には脂とコラーゲンがあり、使い道が広がります。ぼたん鍋用の薄切り、煮込み向きのバラや肩、焼き向きのロース、ソーセージやミンチ向きの端肉です。脂の乗りは季節、大きさ、性別、餌で変わり、晩秋から冬の個体が好まれることが多くあります。猪肉は地域のルールが最も効く食材でもあります。豚熱(CSF)の発生地域では処理に手順が定められ、令和8年3月末時点で23府県116施設がその枠組みで処理を行っています。ほかのジビエと同じく、厚生労働省の指針に沿った十分な加熱が必要です。注文前に、形状、処理日、冷蔵か冷凍か、推奨する用途を確認します。

脂は猪肉の味をどう変えるか?

猪肉は、脂が良い時には日本の野生肉の中でもとても満足度の高い食材になります。一方で、個体や部位を知らずに買うと、強すぎたり、料理に合わなかったりします。大事なのは、猪かどうかだけではありません。季節、サイズ、脂、処理、調理の計画です。

鹿肉に比べると、猪肉は脂やコラーゲンを使える場面が多くあります。赤身と白い脂を牡丹の花のように盛る「ぼたん鍋」が猪料理の代表になったのもそのためです。煮込み、ロースト、焼き、ソーセージ、ミンチ料理にも向きます。ただし、トリミング、冷凍、解凍が適切であることが前提です。

猪肉はどの部位を何に使うか?

鍋用の薄切りと、長く煮る肩肉は別の商品です。料理別に部位を分けている供給者ほど、注文しやすくなります。

猪肉の部位と用途
部位英語名特徴向く料理
ロースLoin赤身の上に脂がのる焼き、ロースト、しゃぶしゃぶ用の薄切り
バラBelly脂と赤身が層になるぼたん鍋、煮込み、塩漬け
肩ロース・ウデShoulderコラーゲンが多い煮込み、シチュー、カレー、チャーシュー
モモLeg赤身が多く、筋肉が大きいロースト、ハム、鍋用の薄切り
端肉・ミンチTrim脂と赤身が混ざるソーセージ、ミンチ、ハンバーグ、餃子

注文前に何を聞くか?

スライスなのか、ブロックなのか、ミンチなのか、骨付きなのか。冷凍か冷蔵か。処理日はいつか。推奨する使い方は何か。どの施設で処理されたか。猪肉の場合はもう一つ、施設が豚熱の発生地域にあるか、ある場合は農林水産省の豚熱対応の枠組みで処理しているかを確認します。

供給は条件付きです。農林水産省の令和8年6月の資料では、令和7年12月12日時点で10県に野生鳥獣肉の出荷制限または一部制限が示されています。メニューに組み込む前に、地域の現状を確認しておくと安心です。勢いのある言葉だけの猪肉は、仕入れ情報になりません。

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出典・参考リンク

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